身体の動きと骨盤の連動パターンを体感しながら学んでみよう

「骨盤の動きを評価するために骨盤の運動を知っておきたい」
骨盤は、身体(特に下半身)の運動のときに基盤となる場所でその動きが安定していることが必要とされます。
骨盤はひとつの骨ではなくて腸骨・恥骨・坐骨・仙骨があわさっています。
その骨同士をつないでいる仙腸関節・恥骨結合などは大きくはありませんが動きをつくることができます。
今回は各関節の細かい動きについては深くいきませんが
- 骨盤の動きとその連動の全体像
- 実際の体操などの動きの時に骨盤がどういう状態にあるのか
を知っていただいて運動指導や治療の役に立てていただければと考えています。
体幹の動きにあわせて骨盤はどう動くのか?
背骨の動きにあわせて連動で骨盤がどのように動くのか確認していきたいと思います。
みなさんも実際に動かしながらひとつずつ確認していってください。
体幹の前屈運動の連動
立った状態から身体を倒していく前屈動作をしたとき骨盤はどのように動くか確認していきます。
- 脊柱 屈曲
- 股関節 屈曲・外転・外旋
- 骨盤 後傾
身体が前に倒れるとき、股関節が曲がるところ『股関節 屈曲→骨盤 前傾』をイメージされて骨盤が前傾と思われるかもしれません。
実際には、上半身の重みが前方にかかっていく状態にブレーキをかける意味で後傾に運動していく傾向があります。
この連動があるから、素人がスクワットやお辞儀などしたときに
- 脊柱 屈曲
- 骨盤 後傾
になってしまうのです。
この動き方のパターンが強い人ほど、前屈に伴って背筋が過剰に引き伸ばされた状態で緊張するため筋肉がパンパンに張った腰痛になりやすいです。
そういったのが思い当たる方はこちらをお読みください。
「『腰の筋肉が硬く張って痛い』男性に多い腰痛の解消する体操は」
そこからきれいなフォームでおこなうときには
- 脊柱 運動なし、もしくは軽度伸展
- 骨盤 前傾
と自然な連動とは違うパターンを修得しないといけないと知っておくと習得が進みやすくなるかもしれません。
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体幹の後屈運動の連動
立った状態から身体を反らせていく後屈動作をしたとき骨盤はどのように動くか確認していきます。
- 脊柱 伸展
- 股関節 伸展・外転・外旋
- 骨盤 前傾
その場から、反らせる動作となるとこのように動きます。
この動き方が自然にある方は、筋肉には負荷がかかりにくいですが、背骨の真ん中に近い場所が痛い腰痛を起こしやすいです。
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後屈動作にはもうひとつ、股関節や膝の動きが入るような
- 脊柱 伸展
- 股関節 伸展・外転・外旋
- 骨盤 前傾・前方移動
- 膝関節 屈曲
パターンで後屈をする人もいます。
腰痛やスポーツ動作を評価するときに、前・後屈動作であっても人それぞれでパターンが違い、どのようなパターンかを見極めていくことで
治療のポイントを絞る
スポーツ動作での指導ポイントが変わる
などのヒントが得られるのではないかと思います。
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体幹の回旋にあわせて骨盤はどのような動きをするのか
身体を捻るときにどのような骨盤はどのような連動を起こすのかみていきます。
例えば右前に身体を捻っていくような動きをしたときは
- 体幹(脊柱) 右前方回旋
- 骨盤 左前方回旋
となります。
もちろん反対に回旋すると反対側に動くのが通常です。
この右前方回旋の動きは、『右利き』の人が普段からよく行うことでそのようなアライメントの癖がついてしまう傾向があります。
すると、骨盤は右後方回旋が多くなるかと言えばそうではなく逆のケースが多いです。
実生活の動作では、ただ体幹を捻るわけではなくてその先の手で何か物をとったり作業の対象があるため、そちらに身体(重心)を移動することも合わさり
- 体幹(脊柱) 右前方回旋
- 骨盤 右前方回旋
という右前側に向かって全体が捻じれていく傾向が見られやすいです。
これらは『利き手・利き脚』が大きいですがその後にされるスポーツ動作などの影響もあります。
それらの要素を含めたアライメント・動作評価をしていくと面白いかもしれません。
おわりに
今回は、体幹(背骨)の動きにあわせて骨盤がどのように動くのかについて考えていきました。
背骨と骨盤の関係をわかってくると、動作にあわせて何がストレスを受けているのか?患者さんの症状との関連などを診ていきやすくなるのではないでしょうか?
ここをきっかけに
「じゃあ、股関節は?膝関節は?」
などと連動の幅をみていったり、実際の運動動作について診ていかれると幅が広がって面白いと考えます。
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