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『あぐら』が腰痛・肩こりや猫背の原因に!?うまく座る方法とは

畳や床に座るときの男性の一般的な座り方に『あぐら』があります。
パッと床に座ろうとしたときに男性なら1番簡単に座れます。

『あぐら(胡坐)』は、
日本でのその歴史は平安時代まで遡ると言われ、その時代には女性も『あぐら』をしていたと言われています。

仏教の瞑想において『あぐら(胡坐)』がされることからも我々日本人にはなじみが深い座り方です。agura

瞑想に適した座り方を考えるときに、

長時間座っていることができること

身体に意識がいかないで集中ができること

が求められます。

このことから考えると、
『あぐら(胡坐)』が1番身体にいい安定した座り方
と考えても良いように思われますが、実は一般的にされる『あぐら(胡坐)』では

腰痛

肩こり

などが起こってしまいます。

昔の方は大丈夫だったのかもしれませんが、少なくとも現代人にとってはちょっと難がある場合があります。

そこで、今回は『あぐら(胡坐)』について少し掘り下げて考えていきたいと思います。 

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あぐらの語源

『あぐら』は、

あ→足のあ

ぐら→くら(座) 枕の『くら』などと同じ高くに設けられた場所の意味

で昔の貴族が座る高い座席や腰かけなどの道具を『あぐら』と呼んでいたことが由来です。
江戸時代以降には、今と同じ座り方の意味でつかわれるようになっています。

茶道によって『正座』が広まる以前は

あぐらあぐら1

片膝を立てる(韓国などではこの座り方が一般的)あぐら2

が正式な座り方とされていました。

現在、漢字表記では『胡坐』が一般的ですが、

胡座

胡床

という書き方もあります。
『安座』という言い方もあります。

 http://gogen-allguide.com/a/agura.html

 

あぐらと結跏趺坐

先ほど、瞑想であぐらを組むと書きました。
しかし、正確に言いますと、座禅や瞑想でされる座り方は
『趺坐(ふざ)』です。

パッと見は『あぐら』と似ていますが、
あぐらで組んだ脚を反対側の太ももに乗せて
います。

あぐらから両足を反対の太ももの上に乗せる座り方を
『結跏趺坐(けっかふざ)』
と言います。

この足のかけ方で

  • 吉祥坐(きちじょうざ)あぐら6
    結跏趺坐での組み足が右足が上になる座り方
  • 降魔坐(ごうまざ)あぐら5
    結跏趺坐での組み足が左足が上になる座り方

という名称に変わります。

その足の乗せるのが片足だけの場合を半分だけ結跏趺坐しているということで
『半跏趺坐(はんかふざ)』
といいます。(半跏坐、賢坐とも言う)あぐら4

この座り方は、多少身体の柔軟性が必要になりますのでできない方もいらっしゃいますが、座ることができれば『あぐら』より安定感のある座り方になります。

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あぐらは男性に多く女性はあまりしない

以前は、女性があぐらをかくというのは『はしたない』としてあまりされていませんでした。

現代では良くも悪くも中性化してきている社会もあり

男らしさ

女らしさ

というのが重視されません。
(少し過剰に言うと男女差別などと言われかねない風潮になってきてます)
それもあって、女性で『あぐら』で座る人をみる機会は少し増えた印象があります。

しかし、『あぐら』はやはり服装の制限がある(スカートではできない)こともあって女性でも大っぴらにする方はまだ少ないように感じます。

また、全体的な男女の股関節の可動域の傾向からみてみても、

  • 男性→あぐらがしやすい人が多いあぐら1
  • 女性→女の子座り(割坐)がしやすい人が多い割坐

ことも、女性に普及しない要因のひとつと考えています。

 

あぐらの便利と問題

特に男性の床に座るときには非常に便利な『あぐら』ですが、

  • 腰痛・肩こりになりやすい
  • 腹筋が低下しやすい(腹圧が高まらない)
  • 不良姿勢を起こしやすい

などの問題点があります。あぐら7

この1番の原因が
『股関節の柔軟性の低さ』
によって起こります。

股関節がしっかり曲げきれず(屈曲・外転・外旋しきれない)に骨盤が寝てしまう(後傾)ことになります。
それにつられて背中が丸くなるって状態です。

この『背中が丸まったあぐら姿勢』でずっと座っていると先ほどの問題点がよりきつく出てきます。

そこで、『あぐら』で快適に座る方法を探してみましょう!

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より快適なあぐらを目指す

通常のあぐらでも楽に座れているかもしれませんがもっと心地よく・身体に優しく座るためにできるポイントは、

  1. お尻に座布団かクッションを敷く
  2. 趺坐で座る
  3. 身体の柔軟性を作る

です。
順番に内容を解説していきます。

 

1、お尻に座布団かクッションを敷く

あぐらをするときに、『座布団』や『クッション』を活用していただけると非常に座りやすくなります。

このとき、座布団をそのまま敷くのではなく
『お尻にだけ敷く』
のがポイントです。あぐら8実際に腰がしっかり立ちやすくなります。
比較してみるとこんなイメージです。
あぐら9

浮いたお尻と地面に着く足で高低差を作ることで、股関節の曲げ角度が少ない中で骨盤を立てることができます。
股関節の柔軟性が硬い人にはこの方法がお勧めです。

もしくは座布団を全体に敷きながらお尻のところは別の『タオル』や『クッション』などで高さを上げると床に着く足も痛くなく『あぐら』ができます

 

2、趺坐で座る

あぐらをすると、『床に当たる足』があることで膝の位置が床から浮いてしまいます。
その状態で身体を起こそうとすると、股関節の曲げ角度を大きくとらないといけません。

そこで、

結跏趺坐

半跏趺坐

などを行いますと、股関節の『外旋』を大きくしないとできないため、柔軟性の低い人には厳しいかもしれませんが。
しかし、できるようなら膝の位置を下げることを邪魔している足を太ももの上に乗せてしまうことで膝の位置が下がります。

すると、今までよりも股関節の曲げ角度が少ない状態で骨盤を立てて座ることができます。

 

3、身体の柔軟性を作る

『あぐら』で腰・背中が丸まってしまう人は、基本的に股関節・腰の柔軟性が低い人が多いです。

そこで、あらかじめ柔軟性を得るための体操をしていおくことで楽に座れるようになります。
そのために必要な体操(ストレッチ)を紹介しましょう!

 

1、アッパーバックエクステンション

この体操で、背中を反りやすくすることです。

「あぐらをすると背中が丸くなってうまく座れない」
という人は、

股関節の柔軟性の中でも特にハムストリング

背中が全体的に反りにくい

特徴があります。

そこで、まず楽に背中を反らせられるようにするところから始めます。

  1. 枕やクッション・ストレッチポールなどを用意します。
  2. あてる場所は、背中の肩甲骨の下あたりの背中が丸くなっているところが目安です。アッパーバックEXT1
  3. 仰向けに寝ます。
    このとき、膝は必ず三角に立てておきます。アッパーバックEXT2少し、ドローインをしておいてもいいでしょう!
    高さはあまり高いとしんどいので低めの自分でできる高さからはじめましょう!
  4. 余裕があればここでも両腕を伸ばして背伸びをしましょう!アッパーバックEXT3
  5. そのまま10~30秒寝ておきます。

目標回数 5回×3~5セット

 

2、ジャックナイフストレッチ

股関節が

  • 曲がり(屈曲)
  • 開き(外転)
  • 捻じれ(外旋)

する動きの中で1番の問題を起こしているかと考えてみますと

「この捻じれが1番の原因になってるんじゃ・・?」
と見た目に1番わかりやすい動きをターゲットにしてしまいがち

いきなりスパルタ方式で『結跏趺坐』を無理やり練習しがちになります。
しかし、もう少しまわりの部分練習してからする方が効率よく柔軟性を獲得できます。

そこで、ターゲットになるのが
『太ももの裏側の筋肉(ハムストリング)』 

『ハムストリング』の柔軟性を獲得するだけでかなり『あぐら』がしやすくなります。

そこでお勧めのストレッチが
『ジャックナイフストレッチ』
です。

  1. 足をそろえ両足首を持って屈みます。ジャックナイフストレッチ1
  2. お腹と太ももが離れないように注意しながらお尻を上げていきますジャックナイフストレッチ2
  3. 上がれるところまで上がったら20秒体勢を保ちます。

このとき、お腹と太ももが絶対離れてはいけません!ジャックナイフストレッチ3

「意識しているつもりなんですけど、どうしても離れてしまうんです・・」 

という方は、持つところを『足首』ではなくて『太もも』をガバッっと抱きこむようにしましょう!ジャックナイフストレッチ4
ジャックナイフストレッチ5

 

3、スパルタ式結跏趺坐

ここまで準備してからはいよいよ直球の方法をとっていきます。

  1. 結跏趺坐で座ります。
    もし、結跏趺坐が難しかったらあぐらでも構いません。
  2. 膝を手で押さえ、背伸びしながら鎖骨あたりから身体を前に押し出します。あぐら10
  3. その状態を20秒保ち、ゆっくり戻します。

これらの体操を先にしてから『あぐら』をしてみてください。
随分と楽に座れるようになっていることを実感していただけるはずです。

 

おわりに

『あぐら』は、非常にやりやすくて男性を中心に一般的によくされている座り方です。

そこでたくさんされる方がいらっしゃいますが、実はそればかりしていると

  • 腰痛・肩こりになりやすい
  • 腹筋が低下しやすい(腹圧が高まらない)
  • 不良姿勢を起こしやすい

などの問題を起こしていく可能性があります。

もちろん、リラックスして楽に座れることは必要でいつでも『姿勢よく』ってやっていたら息が詰まっちゃいますよね。
そのため、気を緩めて座ることも大切ですが、そればかりしてしまうのもいけません。

きちんと座れる身体を作っておきながら、時と場所を選んでリラックスできるようにしていただけるのが良いのではないでしょうか?

例えば『腰痛』などの治療の際に、その方の座り習慣などを聴き取り、仮に『あぐら』が多くうまくおこなわれていないのであれば、

『あぐら』を連続でする時間を減らす

あぐらで問題が起こりやすいところをターゲットに筋トレやストレッチなどの指導をする

快適なあぐらが得られる工夫の仕方をアドバイスする

などをして腰にかかる負担を軽減させることも治療のひとつになるでしょう!

そうしないと、いい治療をしても家に帰って長時間『あぐら』で腰に負担をかけていてはいつまで経ってもよくならないでしょう!

生活改善の重要性をほんとうの意味でわかっている患者さんはほぼ皆無といえます。
しかし、その根本的なものに向き合っていただけるように啓蒙していくことは治療家の大きな役目ではないかと思います。
そんな意識改革の材料になれたなら幸いです。

 

ポイントを整理

あぐらは歴史が深く昔は正式な座り方

うまくあぐらで座らないと身体にいろいろ問題が起こります

結跏趺坐を人がいるところでするとざわめきます

あぐらでわかる身体の問題点!

実はあぐらが1番立つのに時間がかからない

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