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骨盤から起こる運動連鎖の基本パターンを知って身体のつながりを実感してみよう

「足首を曲げると膝も一緒に曲がってくる」

「ひとつの関節を動かしたら他の関節の動きにも影響が出てくる」

ひとつの関節をバラバラに動かすことはできますが、ひとつの動きにつられるようにまわりの関節が動くことも感じられると思います。

例えば、だらんとリラックスしたての状態から握りこみをすると握っている指は自分で意識して曲げていますが、このときの手首をよく見ると意識していないのに手首が反ってきています。(背屈)

思ってもいないところが勝手につながるように動くのは自然に起こっているので意識しないとなかなか気づきません。

このような関節の動きが他に影響するものを

  • 単純に動きの連動
    ひとつの動きから連動するように他の関節が動くという意味
  • キネティックチェーン(運動連鎖)
    連動する動きが繋がった鎖のようにどんどん離れたところに連動が伝わって動きが起こる

など言ったりします。

このような動きの連動を応用してスポーツ動作のトレーニングや治療方法などに広く採り入れられています。

そこで、今回は基本的な関節の連動についてご紹介していきたいと思います。

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基本的な連動と言えば骨盤から起こる連動・運動連鎖


関節の連動はどのようなときにも起こっていますし、身体は複雑なシステムをとっていますので同じように起こっていそうでも条件が変われば起こる連動が変わることもしばしばです。

そこで、今回は身体の中心から動きを作るスタンダードな立った状態で骨盤の動きから下半身に起こる連動について取り扱っていきたいと思います。

 

骨盤の前傾に伴う関節の連動は

骨盤を前傾に動かしたときにはどのような連動が起こるかみていきます。

まず前傾の簡単な特徴は、

骨盤の前後位置は後方にいきやすくなる

椅子に座っているときに背もたれを使いにくい

X脚になりやすい

などの傾向がみられます。

では、前傾になった時の連動について実際に前傾に動かしながら確認していってください。

  • 股関節 内転・内旋・(屈曲)
  • 膝関節 外反・(伸展)
  • 後足部(踵骨) 外反
  • 前足部 外返し

お互いの膝が近づいていき、足の小指側が浮きがちになるような立ち方が特徴となります。

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骨盤の後傾に伴う関節の連動は

骨盤を後傾に動かしたときにはどのような連動が起こるかみていきます。

まず後傾の簡単な特徴は、

骨盤の前後位置は前に出やすくなる

椅子に座っているときに背もたれを使いやすい

O脚になりやすい

歳を重ねるにしたがって後傾傾向が強くなりがち

などの傾向がみられます。

では、後傾になった時の連動について実際に後傾に動かしながら確認していってください。

  • 股関節 外転・外旋・(伸展)
  • 膝関節 内反・(屈曲)
  • 後足部(踵骨) 内反
  • 前足部 内返し

お互いの膝が離れて、足の親指側が浮きがちになるような立ち方が特徴となります。

 

骨盤の側方移動に伴う関節の連動は

骨盤が左右のどちらかに動いたときにはどのような連動が起こるかみていきます。

立ったときの足幅については自然もしくは腰幅くらいに開いているという前提になります。

側方移動での簡単な特徴は、

移動側の荷重が強くなりやすい

大転子のあたりが出っ張って見える

足の長さの左右差が起こる要因にもなる

などの傾向がみられます。

では、今回は右側に骨盤が移動したときを例に連動について実際に動かしながら確認していってください。

  • 骨盤
    移動側 挙上
    反対側 下制
  • 股関節
    移動側 内転
    反対側 外転
  • 膝関節
    移動側 内反
    反対側 外反
  • 後足部(踵骨)
    移動側 内反
    反対側 外反
  • 前足部
    移動側 内返し
    反対側 外返し

荷重移動や回旋などの混合によって大きく連動は変わることを知っておいてください。

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骨盤の前方移動に伴う関節の連動は

骨盤が前方移動したときはどのような連動が起こるかみていきます。

前方移動の簡単な特徴は、

椅子に座っているときに背もたれを使いやすい

歳を重ねるにしたがっておこりがち

後傾と一緒に起こりやすい

などの傾向がみられます。

では、前方移動になった時の連動について実際に動かしながら確認していってください。

  • 股関節 伸展・外転・外旋
  • 膝関節 屈曲・内反
  • 後足部(踵骨) 外反
  • 前足部 外返し

後傾と形は似ていますが、足部などに違いが出てきやすくなります。

 

骨盤の後方移動に伴う関節の連動は

骨盤が後方移動したときはどのような連動が起こるかみていきます。

後方移動の簡単な特徴は、

背筋が伸びていることが多い

上半身に対して下半身が太くなりやすい

前傾が一緒に起こりやすい

などの傾向がみられます。

では、後方移動になった時の連動について実際に動かしながら確認していってください。

  • 股関節 屈曲・内転・内旋
  • 膝関節 伸展・外反
  • 後足部(踵骨) 内反
  • 前足部 内返し

前傾と形は似ていますが、足部などに違いが出てきやすくなります。

 

骨盤の回旋に伴う関節の連動は

骨盤が左右のどちらかに捻るように動いたときにはどのような連動が起こるかみていきます。

立ったときの足幅については自然もしくは腰幅くらいに開いているという前提になります。

回旋でのでの簡単な特徴は、

スポーツなどで捻じる方向や利き足がきまっていると起こりやすい

足の長さの左右差が起こる要因にもなる

などの傾向がみられます。

では、今回は右側の骨盤が前に出る形の回旋(右前方回旋)を例に連動について実際に動かしながら確認していってください。

  • 骨盤
    移動側 下制
    反対側 挙上
  • 股関節
    移動側 内転・内旋
    反対側 外転・外旋
  • 膝関節
    移動側 外反・外旋
    反対側 内反・内旋
  • 後足部(踵骨)
    移動側 外反
    反対側 内反
  • 前足部
    移動側 外返し
    反対側 内返し

右利きは右前方回旋が起こりやすいのがよくみられる傾向です。

 

誰でも各種のパターンが複雑に混在するのが当たり前

今回紹介しました連動パターンが教科書のようにひとつだけ当てはまるという方はなかなかお目にかかれません。

実際には、

  • 前傾+左前方回旋+右側方移動
  • 後傾+右前方回旋+前方移動

など、いくつものパターンの要素が複雑に混ざっているものです。

これらもみなれてくると、ある程度のパターンには分類が可能になりますがそれを理解していくためにも今回の基本がすぐにイメージできるようになる必要があります。

 

おわりに

今回は骨盤の動きに伴う下肢の運動連鎖について紹介していきました。

患者さんやクライアントに治療や指導などのアプローチをするときに
「O脚だから膝を閉じるように筋トレしてください」
などと基本的なことしか指導できなかった場合、患者さんの真の問題をみつけられないままになる可能性があります。

その各部分がそういう状態になっているのは、隣接関節から全身にわたるバランスの結果ですから、他の部分からの影響を推定しながらアプローチすることが効果的な改善には必須になってきます。

アライメントの評価をした後のアプローチにつなげるためのチェック材料のひとつに使っていただけたらと思います。

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