You are here:  / スキル(治療技術・知識) / 開脚を柔らかくする股関節ストレッチの効果的な種目や手順とは

開脚を柔らかくする股関節ストレッチの効果的な種目や手順とは

肩こり・腰痛などを身体に感じた経験はどなたでも一度くらいはお持ちではないでしょうか?

それら慢性的に起こるコリやハリ・痛みなどの予防・解消に非常に大切だと言われているのが『身体の関節(筋肉)の柔軟性』です。

「肩こり楽にするストレッチを教えてください」

「僕は身体が硬いので腰痛になりやすいのは仕方ないかなって思っています。」

など、『身体の柔軟性が低いこと=慢性病になりやすい』というイメージは治療家(セラピスト)はもちろん、患者さんにも認識としてはお持ちのようです。

身体の柔軟性をはかる動きには

  • 前屈
    前屈
    両手で足先を触ることができるかどうかを指標にされます。
    一般的には、触ることができる方は身体はそこまで硬くないとお考えになられているようです。
  • 開脚前屈
    両足開脚
    座って両足を開いて身体を前に倒す動きです。
    一般的には、
    ・開脚をすること自体が辛い→身体がすごく硬い
    ・開脚は何とかできるけど前に身体を倒せない→身体が硬い
    ・開脚はでき身体もある程度倒せる→身体は硬くはない
    ・身体が床につく→柔軟性はある

この2種目で考える方が多くて基準も上に示したようなくらいにだいたい考えられるようです。

その身体の柔軟性を作りたいとなったときの動きが、上のような動きになりますので柔軟性の指標として『股関節の動く範囲』としてとらえられがちです。

そのため、身体の柔軟性が低い(硬い)人にとって『股関節のストレッチ』は非常に興味が高いなって思います。

スポンサーリンク

 

股関節のストレッチは硬い人にとっては拷問

身体の柔軟性の低い人・慢性的な身体のコリや痛みに悩んでおられる方からすれば

「少しでも早く柔軟性をつけたい!」

って思われますが、その気持ちを挫くほどストレッチの『筋肉の付き目(付着部)が引きちぎられるような痛み』が伴ってなかなか積極的に取り組めないのが現実です。

そして、辛い思いの割に

なかなかすぐに股関節が柔らかくなってくれない

やり方が悪いのか膝や股関節・腰が痛くなってくる

などの問題が出てくることもしばしばです。

これを治療家(セラピスト)に相談すると、よくある答えとしては

「やっぱり継続が大切です。痛いのは急にやり過ぎたんでしょう!少しきつさを控えてやってみましょう!」

という当たり障りのないアドバイスで終わらされてしまいますが、みなさんとしては

「もっと苦痛が少なくて、痛めにくい種目から段階的に取り組みたい」

という思いがあると思います。

そこで、今回は

  • 苦痛やケガの危険が少ない股関節の柔軟性を増すためのストレッチ
  • 股関節のストレッチのいろいろなバリエーション

について紹介していきたいと思います。

 

股関節ストレッチをするときの大原則

身体のどこをストレッチするときにも言えることではありますが、特に股関節をストレッチするときには意識しておかないとつい破ってしまっている『ストレッチの原則』について最初に確認していきましょう!

  1. フォームを崩して行わない
    股関節を開いたり、身体を傾けたりするときには、その開いている幅や傾けている角度に気をとられがちになります。
    フォーム
    そのような方法でしている柔軟性向上の効率が悪くなったり、痛みが強くなったり、痛めてしまったりすることがあります。量や幅にばかり気をとられないことは常に注意しておきましょう!
  2. 痛みが出ないように行う
    ストレッチをしているときにある『ストレッチ感(筋肉の伸び感)』と『痛み』の違いを常に確認して『痛み』が出ないように心がけましょう!
    この差をストレッチに慣れていない人は最初区別が難しいかもしれませんが、この2つがあってそれを区別しないといけないこと、とにかくガンガン刺激すればいいというものじゃないということを気をつけましょう!

 

ストレッチの伸び感と痛みの違いって・・

ストレッチのときに『伸び感』と『痛み』の違いを区別しないといけないわけですがこれがなかなか難しいのではないかと思います。

「ストレッチしたら伸び感も含めて全部きついように感じるから『痛み』との差がわかれるような気がしない・・」

「ストレッチしたら筋肉がピーン!と引っ張られるような痛いような気持ちいいような『痛きも』みたな感覚あるのはどっちになるの?」

など戸惑いが起こるかもしれません。

そこで、股関節のストレッチにおける『伸び感』と『痛み』の違いの目安を紹介しておきたいと思います。

スポンサーリンク

 

1、引っ張る感じがする場所

筋肉が引っ張られるその感覚が起きる場所について大雑把にみてみますと

  • 骨に近いところ(付着部近く
    →筋肉は両端が骨についています。
    この筋肉の付き目に近いところは要注意と考えておいてください。
    ここは付着部炎という痛みを起こしやすいです。
  • 筋肉の真ん中らへん(筋腹あたり)
    筋肉は少々引っ張って傷んでもすぐに修復してくれますし、ストレッチをしているときでも微細な損傷は起こしています。
    無茶はいけませんが多少は引き延ばしても問題を起こすことは少ないです。

のように分けてみてみるのもよいでしょう!

 

2、刺激の質

ストレッチをしたときに感じる引っ張り感に違いがあります。

  • ピンポイントに刺激を感じる
    刺激を感じる範囲が狭く、ピンポイントに伸びた感覚というか鋭い刺激を感じたり、あまりしっかり伸ばしていない伸ばしはじめのようなときキツイ刺激を感じるような場合は続けていると傷める可能性があります。
  • ピーンと張った楽器の弦のような感覚
    筋肉と同じ方向にまっすぐ引っ張られる比較的鈍い感覚で、範囲もそこそこ広い範囲で大きく動かすほど伸びている感覚が高まるように感じているのは自然な伸び感です。

 

3、ストレッチ後の感覚

ストレッチした後に起こる感覚についても違いがある場合があります。

  • 時間が経ったときにも痛みが出る
    ストレッチしてから時間が経っても、その関節あたりを動かしたり歩いたりなどの動作でも痛みが出る場合は心配です。
  • 筋肉痛のような感覚が残る
    ストレッチしていたとき感じていた感覚がしばらくすると治まり、翌日などに筋肉痛に似た感覚が起こるくらいであればさほど問題は出ていません。
    それは筋肉をストレッチしたことによる筋肉の損傷による遅れて出る痛みです。あまりきつく出る場合は刺激量を考える必要がありますがそこまで心配は要らないでしょう!

 

股関節ストレッチで基礎となるストレッチ

「じゃあ、注意点さえ気をつけたらどんどん筋肉を伸ばしていっていいの?」

と思われた方は少しお待ちください。

股関節を安全かつ効果的にストレッチするには多少構成のコツがあります。

その構成として、最初の方にまずしておきたいストレッチは

  • 股関節の筋肉の起始部から
    股関節の筋肉は、だいたい股関節からついていて、そこから太ももや膝裏や膝の内側など各方面についていきます。
    この股関節についているところを『起始(きし)』と言います。まずはこちら側からしっかり伸ばせるようにしていきます。
  • 膝関節のテンションは落としておく
    例えば前屈動作で膝裏を伸ばすとします。
    このとき、膝を完全に伸ばす方が筋肉がよく伸びます。
    前屈
    しかし、ここは少し膝を曲げて行います。
    前屈2
    同様に他の種目でも膝は種目によりますが膝を完全に伸ばしたり曲げたりしていきなり筋肉を最大に伸ばすことは避けていきます。

この点を注意した種目からしっかり始めていきます。

 

最も大切な股関節の基礎ストレッチ

「全身身体が硬くていきなりやると辛くて続けられないかもしれない・・」

というようなストレッチすること自体に不安が大きい方や

「腰痛が出やすいし、身体を傷めるリスクが少ないものから順番にやっていきたい」

という安全性をしっかり確保しながらおこないたいと思われた方はまずこの3種目から始めていかれることをお勧めします。

しかも、この4種目は股関節の必要な筋力もつけてくれるため、身体の安定性が高まります。

慣れるまでは次の種目進めずにこの4つだけをひたすらするという方法もおすすめです。(初心者は最初の1か月はこれだけをしてもいいですね)

スポンサーリンク

 

1.四股ストレッチ

相撲の『四股』の動きを使ってストレッチします。

この動きは本当に股関節の柔軟性も増しますし、必要な筋力も養ってくれる万能体操だなって思います。

極端な話こればかりしているだけでもいいくらいだと思います。

  1. 足を大きく左右に開き足先・膝を外に向けて立ちます。
    四股1
  2. 身体は背筋をまっすぐ伸ばしたまま身体を床に向かって沈めていきます。
    四股2
  3. 20秒を目安にその体勢を保ちます。

その動きの後に、

  1. 両手を膝の少し上の内ももにあてます。
    四股4
  2. 身体を前に傾けて肘を伸ばし腕で内ももを後ろに押しながら身体を前に押し出します。
    四股5
    この時に少しずつお尻を上に挙げるようにして身体をしっかり倒していく練習をしましょう!

四股6

 

2.ランジストレッチ

  1. 大きく片足を1歩前に出します。
    ランジ1
    後ろ足は踵が浮いていてもかまいません。
  2. 両腕を頭上にまっすぐ伸ばします。
    ランジ2
  3. 身体を下に鎮められる範囲沈めてから、
    ランジ3
    鎖骨を斜め上の天井に押し出すようにして身体を少し反らせていきます。
    ランジ4

 

3.プラトーンストレッチ

  1. 膝立ちになり、膝を横に開ける範囲開きます。プラトーン1
  2. 前に手すりや机があればそちらを持って斜め上に背伸びしながら股関節を沈めていきます。
    プラトーン2
  3. 20秒を目安にその体勢を保ちます。

 

4.足首ストレッチ

  1. 正座をします。
    足首ストレッチ1
  2. 両手を床につきます。
  3. 体重を後ろに乗せていくのにあわせ、ゆっくり膝を床から持ち上げます。
    足首ストレッチ2
  4. すねの筋肉(前脛骨筋:ぜんけいこつきん)が伸びていることを感じます。
  5. 15~20秒保ちます。
  6. ゆっくり下ろします。

 

安全性・効果をしっかり高めるための基礎ストレッチ

最初の基礎中の基礎をしっかり押さえるストレッチを終えられましたら、少しステップを進めまして、仕上げていくときの安全性を確保し効率よく進めていけるようにするための4種目を紹介します。

焦らずコツコツやっていけば股関節まわりの柔軟性が少しずつ増してきます。(初心者はこのステップで1か月ほどとどまっていてもいいですね)

 

5.梨状筋ストレッチ

  1. あぐらで座ります。
    お尻ストレッチ1
  2. 足を少し深めにクロスします。
    お尻ストレッチ2
    背中が丸くならないように注意して
    お尻ストレッチ5
    身体を前に倒します。
    お尻ストレッチ3
  3. 20秒を目安にその体勢を保ちます。

 

6.縦割りストレッチ

新体操やバレリーナなど、高い身体の柔軟性が必要とされる競技の場合足の前後開脚ができたりしますが一般的にはできなくて当たり前です。

そこに近づく形でストレッチをしていくことで股関節の柔軟性が増していくことは間違いありませんので少しずつ練習していきます。

  1. 膝立ちから片側の足を前に出して付きます。
    縦割り1
  2. 身体を前方向に移動させながら床に沈みこみます。
    縦割り2

みなさんの柔軟性に応じて足の前後の幅は変えていただいて、少しずつ広くできるようにしていきましょう!

 

7.ジャックナイフストレッチ

  1. しゃがんだ状態で足首を持ちます。太もも裏側ストレッチ1
  2. おなかと太ももをしっかりくっつけたままお尻を天井の方に突き出していきます。
    太もも裏側ストレッチ2
  3. 20秒を目安にその体勢を保ちます。

 

8.ガッセキストレッチ(股開き)

四股ストレッチとやや感じは似てきますが、比較的ポピュラーな種目なので紹介しておきます。

  1. 足の裏をあわせて座ります。
    可能な範囲で足を手前に寄せましょう!
    がっせき1
  2. 背筋を伸ばしてから身体を前に倒します。
    がっせき2
    がっせき3
  3. 20秒を目安にその体勢を保ちます。

このとき、かなり気をつけないと背中が丸くなってしまいますので注意して行ってください。

がっせき5

この動きの応用になりますが、うつぶせで行ってみるのもよいでしょう

  1. うつぶせで足裏を合わせます。
    がっせき-うつ伏せ1
  2. 両肘をついて身体を起こしていきます。
    このとき、足の付け根があまり浮かないように気をつけましょう!
    がっせき-うつ伏せ2

本格的に股関節柔軟性を作っていくストレッチ

ここまで進んできていただければかなり股関節の特に硬い部分をの柔軟性を養うことができてきているはずです。

それが、怪我予防・効率アップ効果となって今後活きてきます。

「さぁ、じゃあいままでやりたかった開脚前屈の練習に入っていくかぁ~」

と思われたかもしれませんが、ここまで我慢していただいたのであれば最後もう一息辛抱して次の種目を導入していきましょう!(初心者の方であればこのステップを2週間とどまって取り組んでいただくといいですね。)

9.伸脚ストレッチ

  1. 正座になります。
    プチ開脚1
    そこから片足を伸ばします。
    プチ開脚2
  2. 身体をやや前に向かって倒していきます。
    プチ開脚3
  3. このとき、膝が曲がりそうなら少しくらい曲がっても構いません。無理は禁物です。
  4. いける範囲に合わせて膝を伸ばすか曲げるか決めていきましょう!

前屈・開脚を本格的に練習するストレッチ

とうとう最終目標の一般的な股関節の柔軟性の指標となる

開脚、もしくは開脚前屈

長座もしくは立位体前屈

を練習するときが来ました。

ここまで段階を追って進んできていただいていると

  • 股関節の柔軟性がすでに向上してきている
    今まで練習してきている種目の伸ばせる幅が広がっていっているのを実感してきていただいているのではないでしょうか?
  • 股関節の安定性に必要な筋力がついてきている
    股関節の必要な筋力が自然に養われてきているはずです。そうすると、日常生活動作がとりやすくなったり、股関節まわりの筋肉がひき締まってくることで、プロポーションがよくなったりしているのを感じられるのではないでしょうか?
  • 腰痛・肩こりなどの症状が解消される
    股関節の筋力・柔軟性が養われていますからそれによる良い影響が全身に及んでいるはずです。

などを感じていただいていると思います。

(初心者で1ヵ月~2ヵ月半くらいかけてここに到達していただければと考えています。)

では、ここでもう一度

正しいフォームを意識して

無茶な刺激をかけすぎず

コツコツできる範囲を伸ばしていく

ことを再確認してから最終目標に向かっていきましょう!

12.片足開脚側屈

開脚をしていきますが、まずは片脚ずつでしかも前に身体を倒さず横に身体を傾ける動作から行っていきます。

  1. まずはあぐらで座ります。
    片足開脚側屈1
  2. 片脚は膝を伸ばして、反対の脚は膝を曲げた『片脚開脚』の状態で座り、手を組み上に伸ばします。
    片足開脚側屈2
  3. 身体を膝を曲げた側に身体を少しねじる意識を持ちながら横に傾けていきましょう!
    片足開脚側屈3

13.片足開脚前屈

では、『片脚開脚』を行っていきます。
決してたくさん倒すことではなく、無理なくフォームを崩さずに倒していくようにしましょう!

  1. あぐらで座ります。
    片足開脚側屈1
  2. 片足は膝を曲げたまま、反対の足を伸ばしていきます。
    片足開脚2
  3. 腰をしっかり立てておき身体を前に倒します。
    片足開脚3
    この時は前に倒せない場合は無理しないで構いません。

 

14.両膝曲げ前屈

ここまで練習できましたら、実際の開脚の動作に移っていきます。

両脚を開きますが、もちろん自然に膝が曲がってくる分には曲げてしまうようにします。

両膝曲げ前屈1
自分の限界の8割くらいの角度くらいからジワジワ始めていきましょう!

 

両膝曲げ前屈2
膝周辺にストレッチ感が強く出ずに、膝周辺から太もも・内ももあたりがまんべんなく伸びているくらいの感覚が望ましいでしょう。

 

15.開脚の完成

最後に、目標としていた『両脚開脚』を行っていきます。

両足開脚1

両足開脚2

ここでも、焦りは禁物です!

身体が前に傾く角度にはこだわらないでじっくり取り組むことが安全で効果的に行うポイントです。
絶対に若い力士の『股割り』に感化されてスパルタでやらないようにしてくださいね。

 

おわりに

一般的な股関節の柔軟性を作ろうとする方々の目的は

  • スポーツパフォーマンスの向上
  • 運動不足解消や健康維持・促進
  • 腰痛・肩こりなどの慢性疾患の解消

など人それぞれです。

そこで、いきなりイメージしやすい開脚前屈や体前屈などをしてしまうのは、安全面でも効果面でもあまり良い選択とは言えません。

とにかくスパルタでガンガンやっている気がしますが、それはただの自己満足に過ぎず身体に鞭打っていることになります。

若くて健康で少々きついのも身体的・精神的にも我慢できるという方には無理にこの手順や方法はお勧めしません。

しかし、どうせやるなら根性論でゴリゴリに進んでいくのはもったいないなって思いましたので今回は

股関節のストレッチといってもこのようなバリエーションがいろいろあること

安全に効果的に行うためには多少の工夫が必要が

ってことを知っていただければと思って紹介してみました。

順番に進めていただきながら、個性により省略したり少なくする種目や逆に重点を置かないといけない種目などが出てくると思います。

進行スピードも、その方の

  • 年齢・性別など
  • 最初に備わっている柔軟性
  • 運動経験・習慣、ストレッチの実施頻度
  • どこか痛めているところがあるのかないのか
  • 何のために柔軟性を身につけたいのか

によって大きく変わってきます。

その個人差につきましては、まずは無理して傷めないように気をつけながらご自身の身体と相談して進めていっていただければと思います。

 

ポイントを整理

股関節の柔軟性は、身体の柔らかさの指標になっている

スパルタ柔軟は辛いし傷めやすいので要注意!

効果的に柔軟性を上げるためには正しいフォームで行うこと

安全にストレッチしたければ手順と種目構成が肝心

開脚や前屈ができるだけじゃ意味がない

コメント

*は必須項目となります。
お気軽になんでもご記入ください。
ご相談はお問合せページからどうぞ