You are here:  / スキル(治療技術・知識) / 首から肩関節まわりの触診をして身体を詳しくみる練習をしよう!

首から肩関節まわりの触診をして身体を詳しくみる練習をしよう!

肩こりは、女性の身体の悩みとしては第1位に入るほど、みなさんにとって身近な悩みです。

それに関係した、首こりや頚椎由来の神経痛などもあったり肩首まわりに問題を抱えることが多いです。

そして、関係ないように思われるかもしれませんが

  • 肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)
  • 肩関節インピンジメント症候群

などの肩関節の問題にも肩首まわりの状態は非常に大きな影響を与えています。

それらの症状をきちんと確認し、どこに痛みが実際あるのかを知ることは治療において非常に大切な情報となります。

そこで、今回は肩首まわりから肩関節周辺までの触診を順番に行っていきたいと思います。

スポンサーリンク

 

乳様突起~盆の窪までの触診

まずは、首の脇にある
『乳様突起(にゅうようとっき):mastoid process』
から触診していきます。

こちらは、耳たぶの後ろあたりにある骨の出っ張り部分です。

乳様突起
乳様突起

みつけるのは簡単なので触ってみてください。

この出っ張りの下端には
『胸鎖乳突筋:sternocleidomastoid』
があります。

胸鎖乳突筋

首の前にあってやや斜めに走っている筋肉ですね。

『乳様突起(にゅうようとっき)』の形状をしっかり触って確認できましたら、そのまま後ろに頭の骨に沿って進んでいきます。

乳様突起2

この一帯は、

首こり・肩こり

頭痛

がおこりやすい方は、押すと痛いような気持いいような感覚がするところです。

そして、頭の真ん中のいわゆる
『盆の窪:ぼんのくぼ』
と言われる窪みがあります。

盆の窪

盆の窪
この窪みの奥には『延髄』という大事な部分があるため、鍼灸では鍼を打つのが禁止されていた(禁鍼穴)場所ですが、実際には治療として刺激すると効果の期待できる場所なので鍼でも太い鍼で無理やり深く刺すような真似をしなければ心配はいらないです。

 

第2頚椎棘突起~第1胸椎棘突起の触診

『盆の窪』の触診が出来ましたらそこから正中線上に下に下がっていきますと、骨の出っ張りが当たります。

背骨の真ん中にある
『棘突起(きょくとっき):spinous process 』
です。

棘突起

棘突起
現時点では、頚椎の2番の棘突起を触っています。

頚椎の2番の棘突起は他に比べて大きいので『盆の窪』から下がれば間違いなくここに到達していることでしょう。

そこから順番に下がっていけば全部『棘突起』ですが、自分が触っているのがどの背骨の『棘突起』なのかを把握しながら触れる必要はあります。

そこで、大事なところはわかるようにしながら触診していきます。

では、頚椎の2番の棘突起から下がっていきますと、何となく『棘突起』の出っ張りはわかりますがそれほどはっきり出っ張っていないような感じの骨が続きます。

そこから、次にはっきりと出っ張った骨に当たりますがこれが頚椎7番で盛り上がっていることから別名『隆椎(りゅうつい)』と思っていただいて良いでしょう。

棘突起
隆椎

それを確認する方法として、『棘突起』を触ったまま天井を見上げてもらいます。

 

  • 棘突起が前に移動して触りにくくなる
    →3~6番の棘突起(特に4、5番あたりがよく移動します)
  • ずっと触っていられてあまり動かない
    →7番の棘突起(隆椎)

という違いがありますので、そちらも確認しておいてください。

また、頚椎7番とすぐ下にある胸椎1番が似ているので見極めが難しいところです。

見極める方法は2つありまして

  1. 肋骨が横にあるかどうか
    ・頚椎の横には肋骨はありません。
    ・胸椎の横では肋骨が確認できます。
  2. 首の回旋運動に参加するか
    隆椎2

    うつむいた状態(頚部 前屈)で左右に首をまわしたとき、
    ・棘突起が左右に動く→頚椎7番
    ・棘突起があまり動かない→胸椎1番
    と違いが出ます。

のどちらかの方法で確認していただきたいです。

この2つでは、2の方がやりやすいので今回はこちらの方法で確認してみましょう。

スポンサーリンク

 

肩甲骨まわりの触診

次に触っていくのは、肩甲骨周辺になります。

肩こりに関わる筋肉が肩甲骨にたくさんついておりますのでしっかり触っていけるようになりましょう。

最初に触診していくのは
『肩甲棘(けんこうきょく):spine of scapula』
です。

これは、肩甲骨をガバッと手のひらで覆ってみましょう。

肩甲骨
そこで1番ごっつい骨に当たると思いますが、それが『肩甲棘』です。

肩甲棘

肩甲棘
まずは、この輪郭を触ってみましょう。

『肩甲骨』を横切る形で大きな出っ張りが続いているのが確認できます。

その『肩甲棘』をずっと外側に触っていきますと、肩の出っ張りにあたる部分の
『肩峰(けんぽう):Acromion』
があります。

肩峰
肩峰
ここを人工的に強調するのが、『肩パッド』ですね。

肩の左右の高さの違いを評価するときには『肩峰』の位置を比べますのできちんと触れるようにしておきましょう。

次に『肩甲骨』の内縁を触っていきましょう。

肩甲骨内縁
肩甲骨内側

肩こりや背中のこりの患者さんがよく

「けんびきがこって辛い~」

っておっしゃるところですね。

『菱形筋(りょうけいきん):rhomboideus muscle 』
という筋肉があって、

菱形筋
この筋肉が猫背などで過緊張している状態が症状を引き起こしていると考えられます。

その筋肉の付いているところが『肩甲骨の内側縁』ですので、背中のコリの方がいたときにはパッと触れないといけませんので是非触る練習をしておきましょう。

そして、その『内側縁』をたどって

  • 1番下の尖ったところ(下角)
    肩甲骨下角
    肩甲骨下角
    胸椎7,8番の間と同じ高さあたりにあると言われています。
  • 肩甲棘と内側縁の合流するところ
    内側縁2
    肩甲骨内側縁2

    胸椎2番と同じ高さにあると言われています。

場所によって、脊柱の場所を推定するポイントにも使えますので知っておくとよいでしょう。

ただし、これはあくまで目安。その方の姿勢などで『肩甲骨』のポジションは変わりますので絶対だとは思わないように気を付けましょう!

次は『下角』から外側の縁をたどっていきます。

肩甲骨外側
肩甲骨外側

ここには

大円筋(だいえんきん):teres major muscle
大円筋

小円筋(しょうえんきん):teres minor muscle
小円筋

という筋肉がついております。

では、次は外側の縁から『肩甲骨』上に進めて行きます。

『肩甲骨』の上にはさきほど触診しました『肩甲棘』を境界にして

肩甲棘の上→棘上筋(きょくじょうきん):supraspinous muscle

棘上筋

肩甲棘の下→棘下筋(きょくかきん):infraspinatus muscle

棘下筋

という筋肉があります。

この内、まずは下側の『棘下筋』から触ってみましょう。

『肩甲骨』の上で『肩甲棘』の下のあたりを触ってみてください。

棘下筋

まずはおおよその位置を触ってみて、その状態から脇を締めて腕を外側に回す動きをしてみてください(肩関節 外旋)

棘下筋2

筋肉がギュッと収縮して動くのが触って確認できていれば正解です。

『棘下筋』の真ん中あたりには『天宗(てんそう)』という肩こりや肩の痛みに対してよく施術点とされる『ツボ(経穴)』があります。

押してみれば、ジーンと響くような感覚が起こりやすいので押してみられるとよいでしょう。

次は、『肩甲棘』の上にある『棘上筋』を触ってみます。

『棘上筋』は、『棘下筋』ほど範囲が広い筋肉ではありませんので、『肩甲棘』のすぐ上を触っておくと良いです。

棘上筋

そこで、腕を斜め前から挙げようとすると、筋肉が硬く収縮しますので触ってその感触を確認しておきましょう。

棘上筋2
棘上筋3

スポンサーリンク

 

肩関節周辺を触診する

では肩関節まわりを順番に触診していきます。

ここでまずしっかり確認しておきたいのは、

  • 大結節(だいけっせつ):greater tubercle
    (正確には異なりますがおおよそ)大結節の上に、棘上筋・棘下筋・小円筋・大胸筋というたくさんの筋肉が付いています。
  • 小結節(しょうけっせつ):nodule
    (正確には異なりますがおおよそ)小結節の上に、広背筋、肩甲下筋、大円筋という筋肉が付いています。

で、たくさんの筋肉が付いていますので最低限きちんとこの両者は触り分けられておく必要があります。

そして、この2つの結節の間には、上腕二頭筋の腱が通っていてここも問題を起こしやすいところなので触っておきましょう。

 

上腕骨大結節・小結節の触診

まずは、『肩峰』の位置を確認しておき、肩峰2
肩峰2
そのすぐ下のところを手をおなかに軽くあてた状態(肩関節 内旋位)で

大結節1
真横からやや後ろ側を触っておきます。

大結節2
大結節

そのまま腕を外側に開いていきますと、触っているところが一緒に動くのを確認できるはずです。
(もしできなければ肩甲骨を触っている可能性があります)

大結節3

その触感は、腕をまわすにしたがって骨が盛り上がっていくのを感じるはずです。

何度か、手をおなかの位置から外側に回したときに、指先に感じる骨が盛り上がってくる感覚を確認してください。

これが『大結節』です。

『大結節』が確認できましたら、指の位置を先ほどより前に置きかえて

小結節1
同じように腕を外側に回します。

小結節2

すると、今度は、『大結節』で盛り上がっていたのから凹みがあってそこからすぐ盛り上がっていくのを感じるはずです。

これは、『大結節』から『結節間溝(けっせつかんこう)』を通って

結節間溝
『小結節』にうつっているからそう感じるのです。

小結節

何回か位置を確認してみますと、『小結節』を触ろうとするとかなり外側に腕を回さないといけないことに気づきます。

試しに『小結節』を触ったまま手をおなかにもっていくと、肩の内側に隠れそうになってくることが確認できますね。

 

肩関節から烏口突起の触診

では、腕の動きは必要ありませんので『小結節』から内側に入るとすぐ縦の溝を確認できます。

肩関節
これが『肩関節』の位置にあたります。

試しにそこに指をあてて腕を先ほどと同様に動かすと、触っているところの外側で骨が動きのを感じられるはずです。

では、ここから更に内側に入ると『烏口突起』があります。

烏口突起
烏口突起

このあたりは、健康な人でもデリケートな場所なので優しく触るように心がけましょう。

患者さんが

「肩の前が痛い!」

とおっしゃったとき

  • 大結節
  • 結節間溝
  • 小結節
  • 肩関節
  • 烏口突起

このどこのあたりを言っているのかきちんと確認しておくことは病態把握に必要です。

きちんと触り分けられるように練習しておきましょう。

 

おわりに

首~肩まわりの触診を順番に確認してきました。

今回の触診ができないと治療ができないとまでは言えませんし、必要なもの必要でないものはその治療法によっても違うかもしれません。

しかし、最低限これくらいきちんと触ることができれば、どんな治療法であっても基本のところは抑えられるろうというところを紹介しました。

きちんとした触診が正しい病態(状態)把握に繋がり、正しい治療がなされる基盤となると考えます。

自分で触りにくい部分も今回はありましたが、できるところからでも少しずつ取り組んでいかれるとよいでしょう。

 

ポイントを整理

首肩まわりは特にデリケートなので優しく触診

骨のランドマークの触診は徹底してマスターしましょう

筋肉の触診と同時に、その筋肉が触って硬いのか柔らかいのかみてみましょう

肩甲骨は、肩こり・肩の痛みで必ず評価しないといけないポイントになります

コメント

*は必須項目となります。
お気軽になんでもご記入ください。
ご相談はお問合せページからどうぞ