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下腿や足まわりの痛みの症状の原因を見極めるための『触診』をしてみよう

足は、膝や股関節などと同じですが体重を支えながら運動をするという非常に大変な役割を担ています。

特に最近の方は、日常的に運動不足の方が多く足をしっかり使っていないため、膝などと並んで痛めることが多い場所です。

また、スポーツ選手(アスリート)は、足を酷使するためケガはセットでついてくるでしょう。

そこで、今回は

  • 自分の足が痛いなって思った方
  • 患者さんが足が痛いっておっしゃられているのに対応されるのを前提とした方

がまずは確実に触診できるようにしておきたい場所を順番に確認していきたいと思います。

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腓骨、外果の触診

まずは、すねあたりからの触診を行います。

『膝のお皿(膝蓋骨)』の下あたりに下がってくるとある出っ張りの骨は
『脛骨粗面(けいこつそめん):tibial tubercle 』
と言います。

脛骨粗面

脛骨粗面

この部分から上に向かって
『大腿四頭筋:quadriceps femoris muscle 』
が付いています。

その『脛骨粗面』から外側に触っていきますと、次に出っ張った部分が出てきてこれは
『ガーディ結節:Gerdy tubercle』
と言いますが、

ガーディ結節

外側側副靭帯
ここには『腸脛靭帯』が付いています。

そこを更に外側に行きますと、かなりはっきりした出っ張りが出てきますが、これが『腓骨』の端にあたる
『腓骨頭(ひこつとう):head of fibula 』
で、

腓骨頭
腓骨頭
ここには『ハムストリング』の外側に当たる『大腿二頭筋』が引っ付いています。

あまりいらっしゃいませんが、この『腓骨頭』が痛いとおっしゃる方であれば『大腿二頭筋』に問題があると考えていってもよいでしょう。

この『腓骨頭』からまっすぐ下に下がっていきますと、
『腓骨筋:peroneal muscle 』
があって

腓骨筋
そのまま下に下がっていきますと、いわゆる
『外くるぶし、外果:lateral malleolus 』
に到達します。

外くるぶし

外くるぶし
「足首の外側が痛い!」
とおっしゃる方であれば、

どのような経過で(こけてから痛いか?徐々に痛くなったのか?)痛くなったのか?

外くるぶしからみてどの位置あたりが痛いのか?

でかなり何を傷めているのかが変わってきます。

そのようなことをきちんと診ていくためにも、きちんとその輪郭を確かめておきましょう!

『外果』の後ろ側から下に向かって『腓骨筋』が走っていますし、『外果』から斜め前方に下りた凹みは
『足根洞(そっこんどう):tarsal sinus』
という捻挫を繰り返している人などが慢性的な痛みに悩まされたりする場所があったり、

足根洞

足根洞
腓骨の内に入ると『捻挫』でよく損傷する
『前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい):anterior talofibular ligament 』
があったりします。

前距腓靭帯

全体的にじっくり触っておきましょう。

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内果の触診と外果との位置関係を確認する

次は、
『内くるぶし、内果:medial malleolus 』
の触診をしてみましょう。

横画像
内くるぶし

『内くるぶし』をまず触ってみて、その輪郭を内・後ろ側に触ってみましょう。

このあたりには、
『後脛骨筋(こうけいこつきん):tibialis posterior muscle』
などの筋肉があります。

次に逆側に進んでいきますと、前側から腓骨の方までつながっていきます。

ここの形状はしっかり触って把握しておいてください。

基本的に足首の動きはここで起こります。

スポーツをされている方であれば、足首の曲げ伸ばしの動きのイメージと実際の動きがあっていることが

  • 運動能力(パフォーマンス)の向上
  • 障害(ケガ)予防

につながりますでしっかりみておいていただければと思います。

これで『内果』と『外果』が確認できました。

そこで、この2つがどれだけ長さが違うかを確認しておきましょう。

外果・内果
外果・内果

『外果』の方が長いのが確認できましたか?

スポーツなどで足を挫くことを『捻挫』もしくは
『内反捻挫(ないはんねんざ)』
といったりします。

これは実は正確でなくて、『捻挫』には

  • 内反捻挫:ないはんねんざ
    内反捻挫
  • 外反捻挫:がいはんねんざ
    外反捻挫

があります。

しかし、一般的にほとんどのケースで『内反捻挫』をしますので、

『捻挫=内反捻挫』

のイメージが定着しているわけです。

この『内反捻挫』が起こりやすい最大の理由が

『外果が内果より長い』

ことによるのです。

足首を

内がえし
内がえし

外がえし
外がえし

など動かしてみてまず確認してほしいのですが、その動きの量も

  • 内がえし
    動きがしやすく、動く範囲(可動域)は外がえしに比べて広い
  • 外がえし
    動きがしにくく、動く範囲(可動域)が内がえしに比べて狭い

ことがわかります。

横にある骨が長いほど、横方向の動きをするときに壁となって邪魔になりますので、動きの範囲が広いところは『不安定で構造的に弱く』なりがちなので、

『内反捻挫』が起こりやすいことが構造がわかれば納得なのです。

ポイント

内果が短い
→内側によく動くため、外側の組織は不安定
外果が長い
→外側には動きが出にくく、内側の組織は安定

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距骨の触診

次は、治療家にとってはよくターゲットにされる骨となる

『距骨(きょこつ):talus』
を見ていきましょう。

『距骨』の最大の特徴は、

『距骨に付着する筋肉が一切ない』

ということです。

それはどういうことを意味しているかと言いますと、

  • 距骨の位置を決定するときに、筋肉の影響は直接的にはない
  • まわりの骨の位置関係や、体重のかかり方などの全体バランスの影響を強く受ける
  • 筋肉へのアプローチで直接距骨に影響を与えることができない

という当たり前と言えば当たり前のことが言えます。

筋肉によるセルフケアのアプローチがとりにくいこともあって、治療家が直接『距骨』に対して様々な刺激を与えて変化を起こそうとすることが多いです。

そのため、それらの治療技術を学ぶようなことがあったときのためにきちんと『距骨』が触診できるようになっておきましょう!

  1. 先ほどの『内果』『外果』の触診において、両骨間の部分に『距骨』はあります。
    距骨
    距骨
  2. 足首を伸ばしておいて(底屈)『外果』の内側に出っ張った部分を触ることができます。これが『距骨滑車』の縁の部分です。
    距骨滑車
    距骨滑車
  3. そこを平行に移動して内側に入ると溝のように凹んでいる部分が確認できます。これが『距骨頚部』を触っています。
    距骨頚部
    距骨頚部
  4. 『距骨滑車』の縁の部分を触ったまま、足首を曲げて(背屈)いきますと、腓骨の奥に動いていくのを確認することができます。
    背屈
    距骨滑車背屈

 

舟状骨の触診

次に『舟状骨(しゅうじょうこつ):navicular』を触診していきます。

『舟状骨』でしっかり押さえておきたい場所は、『舟状骨結節』で足の内側の1番出っ張った部分です。

『舟状骨結節』は

  • 後脛骨筋という足のアーチに関わる筋肉が付いている
  • 成長期の子供のスポーツ障害(有痛性外脛骨)で痛みを訴える場所
  • 扁平足などの足底アーチの評価をするときのポイントになる

ことなどから、触っておけるようになっておきたい場所です。

  1. 『内果』の下端を確認します。
    内果下端
    内果下端
  2. そこから斜め下前方に指を移動しますと、骨の出っ張りを確認することができます。
    舟状骨結節
    舟状骨結節
  3. これが『舟状骨結節』です。念のため、周りの場所を触ってみて1番出っ張っているところであれば正解と思っていただいて結構です。

『舟状骨結節』の触診はさほど難しくありませんが、足の個性によって

扁平足傾向→出っ張りがわかりやすく触診しやすい

凹足(ハイアーチ)傾向→出っ張りがわかりにくく触診しにくい

など、触診する足によって難度が変わります。

これも何人かの足を触り比べさせてもらうとその違いがよくわかってきますのでいろいろ触らせてもらってみてください。

 

踵骨・足底腱膜の触診

次はいったん少しのぞいてみましょう。

足裏の後ろには、脂肪組織があるので柔らかいですが少し押せば硬い踵の骨が触れます。

「踵が痛い!」

と言われたときに、踵の骨のどこが痛いとおっしゃっているのかを見極めることで状態を把握することができます。

そこで、まずは『踵骨:calcaneus』を触って輪郭を把握しておきましょう!

距骨触る

人によっては体重のかかり方などのくせで角質が硬いところと比較的柔らかいところがあったりします。

治療をする上でその方の癖は非常に重要な情報ですのでチェックできるようになっておきましょう

  1. 足の裏の後方約1/4程度は踵骨で触ってみると硬いのがわかります。
    踵骨
    踵骨
  2. 次に足の親指を反らせてみましょう!すると、足裏に縦のすじが走るのを確認することができます。これが『足底腱膜:Plantar Aponeurosis』です。
    足底腱膜
  3. 『足底腱膜』をどんどんたどっていくと、『踵骨のやや内側』までいくのが確認できます。ここに付着しているんですね。
    踵骨内側
    踵骨内側
  4. 次に踵の後ろ側に回り込みます。足首を曲げて(背屈)みると、『アキレス腱』がはっきりわかりますね。
    アキレス腱
    これをたどっていくと踵の骨に付いていることが確認できます。
    踵骨
    踵骨後ろ

このことから、

「踵が痛い!」とおっしゃる人がいてこの『足底腱膜』の付着部あたりを痛いと言って、念のためそこを指でグイッと押してみたらやっぱり痛がるようであれば

『足底腱膜炎:plantar fasciitis』
という、『足底腱膜』に問題があるケースでだとわかります。

踵の後ろの場合であれば『アキレス腱』の障害による痛みの可能性をまず考えなくてはいけません。

もちろん、踵自体が痛い場合もあります。

その痛みの場所を含めた原因によって対処が変わるため触診して確認できるようにしておきましょう!

 

中足骨と外反母趾になる部分の触診

次は、足の前側で痛みが出やすい部分についてみていきたいと思います。

足の指をグッと曲げてみます。すると、その曲がったところに骨がありますが、ここを
『中足骨頭:head of metatarsal bone 』
と言います。

中足骨頭
中足骨頭

  • 立っているときに前に体重がのると出っ張っているので当たりやすい
  • 歩くときに指(足趾)が曲がって地面に接する

ことなどから、負担がかかって角質が厚くなったり痛みが出ることがよくあります。

まずは、この位置を触れるようにしましょう!

次に、足の親指の『中足骨頭』の内側のところを起点に『外反母趾:hallux valgus 』が起こります。

外反母趾

外反母趾

女性の方には起こりやすい疾患なので有名だと思います。

 

第5中足骨基部の触診

最後に足の小指側を触ってみたいと思います。

ここでは、足の小指(第5趾)からずっと踵方向に伝っていきますと、出っ張っている骨があります。

第5中足骨基部

第5中足骨基部
ここは、

  • 短腓骨筋が付いていて、足の酷使で炎症が起こる(腓骨筋腱炎)ことがある場所
  • 捻挫のときに、この部分が骨折することもある

ことから、是非場所を触って確認しておきたい場所です。

 

おわりに

今回は、膝から下の触診を行ってきました。

『外傷やマイナーな疾患に関係ある部分』は省いて、患者さんが痛みをよく訴えるまずは絶対おさえておきたい場所について紹介してきました。

足の疾患に関しては

  • 痛みが出るまでの経過や場所をきちんと確認し(問診)
  • 痛みを訴えている場所に何の組織があるのか(触診)

できれば、かなりの疾患を見極めることができます。

もちろん、疾患の推定が正しくできれば対処も正しく行うことができます。

自分の足でまずはたくさん触って練習してみましょう。

傷めていないのに強く押したら意外に痛い場所

触り方によってはこそばかったり

足の動きによって触れるはずのものが触れなかったり

たくさんの気づきが得られます。

その気づきを活かして患者さんを診るときには、できるだけ不快な思いをさせずに適切に触診が進められるようにしましょう!

 

ポイントを整理

足の動きを知るには、構造を把握すること

筋肉の付着部に痛みは出やすいためきっちり場所を確認しておきましょう

患者さんの足を触ったら必ず手洗いをする習慣をつけましょう

自分の足のアーチに左右差がないかみてみると興味深いです

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