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膝関節をよく知るために簡単なところから骨や筋肉の触診を練習してみよう!

膝関節は比較的大きい関節で、外見でみてみると肩関節や股関節などと比べてその輪郭がはっきりしていますのでその構造をつかみやすいです。

実際に触ってみても、他の関節より筋肉や脂肪が厚くないため『骨』や『靭帯』・『関節』などがわかりやすいように思います。

もちろん自分の膝で触診の練習もできますので、練習もしやすいため触診については問題ないようにも思えます。

しかし、治療家であれば患者さんが膝の痛みで来られた時、その痛みの部分を正確に把握できないで少しでもずれてしまうと想定する病態が変わってしまうことがあり、簡単にできそうなのですがより正確な触診技術が必要なことから甘く見てはいられません。

また、膝を傷める方の中にはスポーツ選手が多くいますが、そのスポーツをしている人に

「膝の関節ってどこで曲がっていると思いますか?指でさしてみてください」

とお願いすると、なかなかの確率で違ったところを指さすケースに出逢います。

スポーツでケガしないで良いパフォーマンスを出すためには、

『自分のイメージしている動作と実際の動作が一致している』

ことが重要になってきます。

それが、膝の曲がっている位置をずれて曲げたり伸ばしていたりしているのを知れば、まずそのギャップを埋めてあげることも必要ではないでしょうか?

そこで、今回は

『膝関節まわりを触診』

をテーマにすすめていきたいと思います。

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膝のお皿(膝蓋骨)の触診

自分の膝でも他人の膝でも構いませんが、まずは足を伸ばした状態で触っていきます。

最初はわかりやすい『膝のお皿(膝蓋骨):pattela』から触ってみましょう。

たまに専門家の中には

「パテラ」

なんて言います。

別に英語で『膝のお皿(膝蓋骨)』のことを言っているだけなので

「言葉の意味がよくわからないが、なんかすごいことを知っているような気がする・・」

なんて委縮しないで聞いておきましょう。

ここはさすがに誰でも触れるところですが、まぁ復習だと思って1度触ってみてください。

膝蓋骨
膝蓋骨
膝蓋骨2

触れましたら、その輪郭を順番に触っていきましょう。

膝のお皿っていうくらいだから『まん丸』や『楕円』を想像していた方もいるかもしれませんね、実は違うんですね。

「膝のお皿が痛い!」

と言う患者さんがいても、そのどこが痛いのかによって想定される病態は大きく変わりますから触れるようになっておきましょう。

そこで、『膝のお皿(膝蓋骨)』の下側を触っていると、太いすじが更に下に伸びているのが確認できるはずです。

膝蓋腱
膝蓋腱

これが

  • 膝蓋靭帯(patellar ligament)
  • 膝蓋腱(patellar tendon)

という2つの言い方がされる場所ですが、同じ意味で使われています。

どちらを使ってもらっても構いませんが、個人的には

「大腿四頭筋の腱の部分を指しているんだから『膝蓋腱』の方が意味としては正確なのかな・・」

とは思います。

その腱を下に下がっていくとボコッと盛り上がった部分があります。

これを『脛骨粗面(けいこつそめん):tibial tuberosity 』と言います。

脛骨粗面
脛骨粗面
ここが、かなり飛び出している人ってたまにいますね。

あれは、『オスグッド病』という成長期にスポーツで膝を酷使した結果、大腿四頭筋が『脛骨粗面』を引っ張る力をかけすぎて盛り上がって成長してしまうってやつです。

飛び出した人は、ぶつけるとものすごく痛いみたいですし、正座や膝立ちができなくなるような不便も出てきます。

また、この位置をみることで膝下(下腿)がねじれがあるのかないのかなどを判断するときの指標になったりします。

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『膝のお皿(膝蓋骨)』を動かしてみる

では、いったん『膝のお皿(膝蓋骨)』に戻ってきまして、次は『膝のお皿(膝蓋骨)』は動かすことができますので動かしてみましょう!

『膝のお皿(膝蓋骨)』は少し浮いた状態になっていてその下にある『大腿骨』との間には少し余裕がありますのでその間をすべるように動かすことができます。

  1. 膝はまっすぐ伸ばしたままで、両手で膝のお皿を手で押さえます。
    膝蓋骨1
    膝蓋骨3
  2. 上下左右斜めなどに動かしてみましょう。
    膝蓋骨2
    膝蓋骨3
    膝蓋骨4
    膝蓋骨4
    膝蓋骨5
    膝蓋骨5
    動き方は個人差があって複数の人を触っておくとその違いがわかりますのでお勧めです。
    特に女性に多いのですが
    ・関節がゆるい
    ・膝蓋骨不安定症の方
    などは動き方が大きかったり、外側に動かす時に『膝のお皿(膝蓋骨)』がこぼれ落ちそうな不安感を覚える方もいらっしゃいます。
  3. 次は同じ動きを少し『膝のお皿(膝蓋骨)』を上から押さえつけた状態でしてみましょう(pattela grind test)。
    膝蓋骨6
    膝蓋骨7
    膝蓋骨6
    これも関節の状態が悪い方であれば
    ・ゴリゴリ音(圧轢音)が鳴る
    ・痛みや違和感が出る
    などが起こり、関節の状態を知る手掛かりにもなります。
  4. 次は、膝を曲げた状態で動かしてみましょう。
    『膝のお皿(膝蓋骨)』についている大腿四頭筋が緊張して膝のお皿を押さえつけていますので動かなくなっているはずです。

しっかり、膝のお皿の形状や動きが確認できたところで次は『膝関節』を確認していきましょう!

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膝関節・半月板の位置を確認する

この関節の位置のイメージがしっかりできていることが、

  • 病態を把握したい治療家や膝の痛みを自己診断したい一般の方
  • 膝の動きをイメージしたいアスリート

どなたにとっても有益ですのでしっかり確認していきましょう。

  1. 軽く膝を曲げておき、『膝のお皿(膝蓋骨)』を確認します。
    すると、下の方の両脇に『えくぼ』のように凹んでいる場所があるのが確認できると思います。
    えくぼ
  2. 内側の『えくぼ』のところに指をあて、
    えくぼ内側
    膝蓋骨8
    押さえてみると、更に内側に向かって溝のようなへこみが続いているのが触っていて確認できると思います。
    えくぼ内側2
    膝蓋骨9
    触診慣れしていない方でもゆっくり丁寧に触ってみれば確認できるはずです。
  3. 見つけた溝に沿ってどんどん内側に触っていきましょう。
    えくぼ内側3
    膝蓋骨10
    これが
    ・脛骨
    ・大腿骨
    の境界線にあたる『膝関節(knee joint)』の位置です。
    この溝のところに『半月板』もあります。
    その途中に溝が鮮明でなくざらざらってした感触になるエリアがありますが、そこに縦に『内側側副靭帯:MCL』が走っています。
  4. やや後ろ側に回り込もうとしたところに太くて硬い筋が縦に走っているのが確認できるはずです。
    これは
    ・薄筋
    薄筋3
    ・半腱様筋
    半腱様筋2
    ・縫工筋
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    あたりの筋肉でそれに沿って下に触って筋が触れなくなく平たい骨の場所がみつかると思います。
    そこが
    『鵞足(がそく):goose`s foot、pes anserinus 』
    です。
    鵞足
    鵞足
  5. 次は、『えくぼ』に戻っていただいて、今度は外側を触っていきましょう。
    えくぼ外側
    膝蓋骨11
    これが『膝関節』の外側でここに『半月板』があります。
  6. これも少し進むと溝が触りにくくなりますが、そこが『外側側副靭帯:LCL』です。
    これはあぐらをかくとはっきりと浮かび上がってきますので確認しておくとよいでしょう。
    外側側副靭帯
    外側側副靭帯
  7. 最後に外側の『えくぼ』に戻ります。
    そこから下にさがると、ボコッと骨が出っ張っている場所があります。これが『ガーディ結節(Gerdy tubercle)』です。ガーディ結節
    外側側副靭帯
    ここに『腸脛靭帯:iliotibial band 、iliotibial tract』がつきます。
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『膝関節』に問題の起こる人の多くは外側でなく、今触診練習をおこなった内側に

  • 半月板損傷
  • 変形性関節症
  • 側副靭帯損傷(関節をまたぐ)

などの痛みが起こり、実際に押さえてみると痛みがあります。(圧痛)

「膝の内側が痛い!」

という方を診る場合、この場所に痛みがあるのかそうでないのか、それを見極めることは非常に重要な情報を得ることになります。

その『膝関節』の痛みと間違えやすいのが『鵞足』に痛みがある場合です。

アスリートや変形性膝関節症などの方に起こる
『鵞足炎:Pes Anserine Butsitis』
があります。

こちらは筋肉の付着部炎なので、関節の問題とは明らかに傷めている組織から治癒経過まで違ってきますので見極める必要性があります。

内側がそのように場所の見極めが大事なのと同じように、『膝の外側』も同じで少なくとも

関節に問題があるのか

関節以外に問題があるのか(腸脛靭帯)

くらいははっきりさせておく必要があります。

傷めている人からすれば両方とも膝の痛みとざっくり言ってしまっても間違いではありませんので、それをこちらが鑑別する必要があります。

また、アスリートの方は、この位置から膝の屈伸が起こっていることをご確認いただいておかれることは有益となるでしょう。

 

膝まわりの筋肉への理解

膝まわりにはたくさんの筋肉があります。

筋肉の場所や作用については、ネットや本のあちこちで簡単に情報が得られますのでこちらでは割愛させていただます。

そこで、今回は膝の筋肉で触って知っておいていただきたいところを紹介していきます。

 

内側広筋の触診

膝の運動で最大の力を発揮する『大腿四頭筋』ですが、その中でも膝を傷めている方などを診るときに大切だと言われているのに
『内側広筋』
があります。

『内側広筋』は、

膝を傷めている人が筋肉が萎縮していないか

手術した人や膝の痛みでリハビリしている人が筋力がついているか

などを知る指標に良く使われます。

それは、膝の筋肉が落ちたときボリュームが落ちているのが見た目でもすごくわかりやすいためです。

膝を伸ばしてグッと力を入れてみると、
『膝のお皿(膝蓋骨)』

の斜め内側の太ももがモリッと盛り上がるのを確認することができると思います。

内側広筋

これが『内側広筋』です。

内側広筋2
このまわりが落ちやすいので、膝の悪い方などで少し期間が長くなってきている方に接するときにはこの部分の盛り上がりや筋肉のハリを触って確認しておくことをお勧めします。

ただし、『内側広筋』だけが特別に落ちるわけでなく全体的に筋肉は落ちます。

わかりやすいからそれを指標にしているだけなので、そこのところが誤解のないように気をつけましょう。

 

ハムストリングの触診

太ももの裏側の『ハムストリング』の触診についてです。

こちらも筋肉は

  • 太ももの裏側の外側→大腿二頭筋
    大腿二頭筋2
  • 太ももの裏側の内側→半腱様筋・半膜様筋
    半腱様筋・半膜様筋2
    と分かれておりますが、それがおおよそ触ってみるだけでも区別がつきます。

そこで、今回ははっきりと触診ができる腱の部分を触ってみたいと思います。

  1. 患者さんにうつ伏せで寝てもらい、
    ハムストリング1
    膝をだいたい直角に曲げた状態にします。
    ハムストリング2
  2. 両手で軽く膝裏あたりの太ももの裏側を触っておきます。
    ハムストリング3
  3. 足先を外側に回しますと、
    ハムストリング5
    太ももの裏側の外側に太い腱が硬く緊張するのを感じられると思います。これが『大腿二頭筋腱』です。
    ハムストリング4
  4. 次に足先を内側に回しますと、
    ハムストリング6
    太ももの裏側の内側に太い腱が硬く緊張するのを感じられると思います。これが『半腱様筋腱』です。
    ハムストリング7

ここからも、『ハムストリング』は同じように膝を曲げる働きをしていますが、足先(もしくは膝下の下腿)の捻じれ具合によって使われる比率に違いが出るということも実感していただけたのではないでしょうか?

 

おわりに

膝まわりの主要な部分を実際に触って確認してきました。

あまり触り慣れていない方であれば、ひとつひとつを触ることで膝への理解が深まったでしょうし、治療家の方でもそこまでじっくり触診したことがなかったという方もいらっしゃるかもしれません。

膝は体重を支えながらもしっかりした動きを実現するためにシンプルなようで複雑な機構を備えています。

そこで過度に負担をかけてしまうといくらクッション性もあるようにつくられているとはいえ壊れてしまいます。

そのため膝を傷める方は、老若男女問わず多くてそれらの方の治療やケアなどをするにあたって膝のイメージを高めておくことは必須であると思いますので何度でも練習していただけたらと思います。

 

ポイントを整理

膝関節は体重を支えつつも運動の主役となる

膝関節の位置がどこにあるのかしっかりイメージできていますか?

膝は体重を支えるには十分ではない、なので無理をすると傷めてしまう

膝が痛いっていっても場所がちょっと違えば原因は異なる

自分の膝がきちんと触れないと他人の膝はわかりません

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