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お尻の筋肉のコリ解消に効果的な『梨状筋』ストレッチのあれこれ

『腰痛』や『坐骨神経痛』の腰やお尻の痛みを解消するときに、フィットネストレーナーや治療家などの間で

「この筋肉をターゲットにアプローチしていけば効果がある!」 

と言われている万能筋肉があります。

それが
「梨状筋(りじょうきん)」
です。

たくさんある筋肉の中でも『梨状筋』は非常に重要度の高い筋肉に位置付けられているようです。

そこで、今回は、この『梨状筋』に焦点を当てて

どういう働きをする筋肉なのか

ストレッチやマッサージなどどのようにアプローチすればいいのか

などを少し考えてみたいと思います。 

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梨状筋はなぜ重要視される?

たくさんある筋肉の中で、なぜ『梨状筋』が注目されるのでしょうか?

その大きな理由として、
確かに、お尻にあるこの筋肉のあたりをマッサージなどで押すと

「すっごい痛いけど効く気がする~」 

とか、肘などを使ってかなり強めに押せば

「ビリビリ足まで電気が走る~」 

などと言われます。

『梨状筋』をストレッチで伸ばそうとすると梨状筋ストレッチ18

「すっごい引っ張られる感じがします。筋肉カチカチですね。全然伸びません」 

と、腰痛の方などではだいたいこの筋肉をストレッチするとなかなか柔軟に伸びてくれないことを経験します。

『腰痛』などの方には、『梨状筋』が

筋肉が硬くなって柔軟性を失っている

アプローチすると直後に症状が楽になったような効果が得られる

という、患者さんやセラピストの経験より注目されるようになったという要因があります。

 

梨状筋とは

では、基本に立ち返ってみて、そもそも『梨状筋』はどのような筋肉なのかみてみましょう!

おしりには、見ても触ってもおわかりの

大殿筋

中殿筋

小殿筋

というような『殿筋群』があります。

この『殿筋群』の奥にあって直接は触れないけど大切な働きをしている

  1. 下双子筋(かそうしきん:inferior gemellus muscle)
  2. 上双子筋(じょうそうしきん:superior gemellus muscle)
  3. 内閉鎖筋(ないへいさきん:internal obturator muscle)
  4. 外閉鎖筋(がいへいさきん:obturator exterus muscle)
  5. 大腿方形筋(だいたいほうけいきん:quadratus femoris muscle)
  6. 梨状筋(りじょうきん:piriformis muscle)

などの
『深層外旋六筋(six deep extertnal rotators)』
という筋肉群があります。

この筋肉群は別名で
『股関節のインナーマッスル』
などといいます。

『梨状筋(piriformis muscle)』は、
その中のひとつであり、1番大きく有名な筋肉で梨のような形状からその名前が付けられています。梨状筋1
梨状筋2

起始(片側の筋肉の付き目)
→仙骨 内側面の上位3孔の間

停止(片側の筋肉の付き目)
→大腿骨 大転子

に付いています。梨状筋3

その働きは、
『太ももや足先を外に向ける動き(股関節 外旋)』
を担当しています。

その動きの指令を出してコントロールしているのが
『仙骨神経叢(L5~S2:腰の5番目、仙骨の1,2番目から出る神経)』 
です。

『坐骨神経(L4~S3)』
の1部分が担当してしているんですね。

『梨状筋』を含め、身体の奥の方にある筋肉は、

筋肉のボリュームが小さい

運動の主役をすることはなく、陰で微調整や安定する役割をする

特徴があります。

実際には立ったり歩いたりの様々な動作をするときの足の位置を調節したり、股関節を安定させたりする役割があります。

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注目される理由は

たくさんあるお尻の奥の筋肉の中で『梨状筋』が注目されるのは

  • 腰・股関節を安定させる役割
    腰痛や坐骨神経痛の方は、腰の安定性が悪い方が多かったり、本来腰がしないといけない役割も痛みからできなくなってます。
    それをかばう形で『梨状筋』を含めたお尻の筋肉がいつも以上に働いて支える役割をすることになります。
  • 坐骨神経痛との関連が深い
    『梨状筋』のすぐそば『坐骨神経』が通過します。
    中には、『梨状筋』のど真ん中を貫いている場合もあります。
    そのため、梨状筋の状態が悪いことで『坐骨神経』にストレスを与え、『坐骨神経痛』の原因になることがあります

ことからでしょう!

特に、『梨状筋』に問題があって『坐骨神経』に障害が出ているものを
『梨状筋症候群』
を呼びます。

「腰痛などをかばう役割もするし、坐骨神経痛とも密接と関わるから特に重要視されるんだ」 

というわけなんです。

 

梨状筋ストレッチ

では、その『梨状筋』に対するアプローチで代表的な
『ストレッチ』
についてまず紹介していきます。

いろいろな体勢で行うことができますので順番に紹介していきます。

1、床に座ってストレッチ

  1.  床に座ります。
    足の裏と裏を合わせる『合蹠(がっせき)』なります。股関節ストレッチ1
    この状態で前に倒れていくと股関節の『内転筋群(内もも)』のストレッチになります。股関節ストレッチ2
  2. 合わせた足を前の方に出します。梨状筋ストレッチ3
  3. 前に身体を倒します。梨状筋ストレッチ4
    背中が丸くならないように注意しましょう!
  4. 息を止めないで20秒ほどそのまま保ちます。

この方法では、

『ストレッチ』がきつくかからないため柔軟性がもともと低い人にははじめやすい

両足合わせてできるから時間短縮できる

などの利点があります。

「両方一度にすると左右に柔軟性の差があるから、別々にしたい!」 

という場合には、足をずらして行うとよいでしょう!梨状筋ストレッチ1
梨状筋ストレッチ2

よりしっかり伸ばしたい場合には、膝と膝が近づくようにして行う方法もあります。梨状筋ストレッチ6
あと、よくスポーツ選手などがする方法は、同じ座る方法でも少し体勢が違います。

  1. 床に座り、片方の膝を三角に立てます。
  2. 立てた膝に反対の足を引っかけるようにします梨状筋ストレッチ8
    梨状筋ストレッチ9
  3. 身体を少しずつ起こしていくことでストレッチができます。梨状筋ストレッチ10
  4. 息を止めないで20秒ほどそのまま保ちます。

これの利点は、まわりを見ながらできるということですね。

なので、団体スポーツなどでコミュニケーションをとりながら『ストレッチ』したいという場合にはこの方法が良いでしょう!

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2、椅子に座ってストレッチ

  1.  椅子に座ります。梨状筋ストレッチ11
    片足を反対の太ももの上に乗せます。梨状筋ストレッチ12
  2. 前に身体を倒します。背中が丸くならないように注意しましょう!梨状筋ストレッチ13
    梨状筋ストレッチ14
  3. 息を止めないで20秒ほどそのまま保ちます。

片側の足はまっすぐになっているため、骨盤が起こしやすく

「床に座っておこなうと背中がどうしても丸くなってしまう・・」 

という方はこの方法なども取り組みやすくて良いでしょう!

 

3、仰向けでストレッチ

  1. 仰向けに寝て、膝を三角に立てます梨状筋ストレッチ15
  2. 片足を太ももにひっかるようにします梨状筋ストレッチ16
  3. 三角に立てた側の太ももをつかんで手前に足を引き寄せます。梨状筋ストレッチ17
  4. 息を止めないで20秒ほどそのまま保ちます。

「もう少し強度を上げたい!しっかり伸ばしたい」 

と思われた方は、抱えるのをももではなく脛を持つようにして行うと良いでしょう!梨状筋ストレッチ18

この方法は、

わざわざ仰向けにならないと行えない

という面倒さが多少はありますが

他のどの種目よりも背中が丸くなりにくい

という最大の利点があります。

 

背中が丸くなってはいけない?

この『梨状筋』ストレッチで1番配慮が必要なのが、腰に負担をかけないで行うことです。

腰に問題のない方はそこまで気にする必要はありません。

『腰痛』がある方などは、腰・背中を丸めて筋肉を伸ばすことが後で『腰痛』をひどくしてしまうことがしばしばあります。

『ストレッチ』は筋肉を伸ばします。
筋肉を伸ばすことは大なり小なりその筋肉に負担をかけることになります。

『腰痛』などに筋肉にその負担の許容が限界まで来ている場合、ストレッチを行うのはややリスクがありまその点を注意して行うようにしましょう!

 

梨状筋マッサージ

次に、梨状筋をマッサージなどでもみほぐす方法をご紹介します。

『腰痛で凝り固まった筋肉を簡単にすっきりほぐす方法』

とかで

テニスボール

を使った方法が巷で紹介されているのはご存知ありませんか?

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、念のために紹介しておきます。

ボールを用意します

  1. お尻にボールを敷いて仰向けに寝ます
    やや斜めの横向けで敷いても構いません
  2. 目安時間は1分です。
  3. 場所は変えてもかまいません。気持ちいいところをするとよいでしょう!

「テニスボールなんか家にないし!」
っていう方は、こぶしで代用してみましょう!

凝り固まっている筋肉を強制的に圧迫刺激でほぐしますから、コリコリの人にとっては、ちょっと痛いかもしれませんが、終わった後はスッキリしますよ。

そして、次に誰かにしてあげる場合や、治療で行う場合には

  1. うつ伏せになっていただきます
  2. 骨盤のところにあるでっぱりの骨(上後腸骨棘:PSIS)から股関節の外側にあるでっぱりの骨(大腿骨 大転子)の仮想線をイメージします
  3. この仮想線に沿ってマッサージしていくと筋になっている筋肉の線維が「ゴリッ!ゴリッ!」と感じられるはずです。そこをほぐしましょう!

 

もっと簡単に梨状筋を緩めるには

『梨状筋』がパンパンに張っている方が

「もっと簡単に楽に『梨状筋』を緩める方法ってないの?」 

って思われるかもしれません。

そこで、そのリクエストにお答えして、簡単に緊張を緩める方法を紹介したいと思います。

その答えを知るに考えていきたいのでがもっとも緩んでいる状態の逆の状態の
『『梨状筋』がパンパンに張る体勢』
ってどんなのだろうってことです。

そのひとつに
『FAIR肢位』 
があります。

これは、『梨状筋症候群』という『梨状筋』の緊張が強すぎてその傍を通る『坐骨神経』に障害を出すものを言います。

それを確認するための検査法なのですが、この体勢が『梨状筋』の緊張を強くするのです。FAIR1

これをヒントに、

「じゃあ、これとまったく逆の動きをすれば、梨状筋がもっとも緩むってこと・・?」 

と思われた方、

「正解です!」 

では、実際にどういう体勢になるかと言いますと、

こんなポーズです。
カエル足

あれ?
これ整体とかでよくされる動きじゃないですか?」 

「そうです。
整体では骨盤を調整するという目的もありますが、同時に梨状筋を緩めていたんです。
だからこれをすると、腰やお尻の筋肉の緊張がかなり緩んじゃうんですね」 

では、ついでに骨盤調整も兼ねたやり方を紹介します。

  1. うつ伏せに寝ますカエル足2
  2. 片方の膝がわきに近づくように足を横から引き揚げますカエル足
  3. 左右試して左右の差を確かめます。
  4. 1回あたり10秒その体勢を保ちます。回数の配分が左右均等ではなくて、
    『やりやすかった側:やりにくかった側=5:1』
    という割合でやりやすい側からはじめましょう!

目標回数 3~5セット 

これが終わった後、『梨状筋』の硬さや『腰』の張りをみてみてください!
かなり軽減していることが実感できるはずです。

「他にやっとくといいおすすめ体操ってありますか?」 
と思われた方にもうひとつおすすめを紹介しておきます

それは
『四股(Shiko-Squat)』 
です。

  1. 足を大きく左右に開いて立ちます四股1
  2. お尻を下に下ろしていきます四股2
    膝が内に入ってきてはいけません。四股3
    屈む深さは二の次にしてとにかく膝を開いたままいけるところまでいきましょう!
  3. 1回あたり10秒その体勢を保ちます。

目安回数 10回×2~3セット 

足腰を鍛えられながら、『腰痛』改善効果が期待できます。

 

おわりに

『腰痛』『坐骨神経痛』を楽にしたい!
ということで、おしりまわりの特に『梨状筋』をほぐすのが効果的だと言われております。

そこで、今回はそのほぐし方にもいろいろあります。
それらを知っていただいた上でうまく使い分けていただけたらいいのではないかと思い、あれこれ紹介させていただきました。

正直申しますと、

「梨状筋をほぐせば、腰痛などの症状は楽になる」 

ことは確かですが

「梨状筋をしっかりほぐしていれば腰痛・坐骨神経痛が完全に解消されるわけではありません」 

根本的に『腰痛・坐骨神経痛』などを解消するにはもう少しアプローチが必要だと思います。

それらを知りたいと思われた方はこちらを参照ください。

 

ポイントを整理

梨状筋は腰痛・坐骨神経痛と密接な関係があります 

梨状筋ストレッチは目的にあわせた使い分けが効果を出すためのポイントです 

ゴルフボールや野球の硬球でほぐすとめちゃくちゃ痛い! 

先に緩めるテクニックをすれば効率的にほぐせます 

根本的な腰痛改善には、梨状筋だけでは少し足りません! 

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