You are here:  / スキル(治療技術・知識) / 坐骨神経痛・股関節・膝痛の痛みで寝れない人が楽に寝るためには!

坐骨神経痛・股関節・膝痛の痛みで寝れない人が楽に寝るためには!

今回採りあげる『坐骨神経痛』『股関節痛』『膝痛』などの痛みは、
とくに1日で生活している中でも立ったり歩いたりしているときに出ます。

ひどい人であれば、
「歩くとどんどん痛みが強くなってきて歩けなくなるので最近遠出が怖くてできません」 
という生活の支障をきたすような方もいらっしゃいます。

こういう方は、体重がかかっているときに負担がかかって『痛み』が出てくるのはもちろんです。
しかし、重力から解放されているはずなのに『痛み』が出るという方もいらっしゃいます。

そこで、今回は

坐骨神経痛

股関節痛
(主に変形性股関節症やその予備群)

膝痛
(主に変形性膝関節症やその予備群)

の方がどのように『寝る姿勢』を工夫することができるか考えていきたいと思います。

他の場所の『寝る姿勢』についても知っておきたいと思われた方はこちらをご覧ください。

肩が痛くてうずいて寝られないとき、痛みを楽にする寝方のコツは

『寝ていると腰が痛い』腰痛もちでも楽に寝るための指導ポイント

坐骨神経痛

股関節

膝痛

3つをひとくくりに扱うのは、傷めている場所や状態は違いますが工夫するポイントが似ているためです。
その『寝る姿勢』を考えるうえで知っておいていただきたいことから紹介していきます。 

スポンサーリンク

 

坐骨神経痛と筋緊張

まずは、『坐骨神経痛』から考えていきたいと思います。
『坐骨神経痛』は、一般的にすごく広い意味合いで使われています。

その使われ方は

腰痛があって

お尻から足のどこかに痛みやしびれがあるもの

はとりあえず『坐骨神経痛』って感じの扱いにされることがあります。

「まずは坐骨神経痛についてもう少し理解を深めておきたい!」 
と思われた方は、こちらをごらんください

お尻から太ももが痛いしびれる『坐骨神経痛』の症状や原因・治療とは

『坐骨神経』は腰からお尻を通って足のほうまで下りていきます。

坐骨神経

『坐骨神経』まわりの筋肉が疲労して緊張が残ってしまうのもよくありません。
その中でも『坐骨神経痛』に関係しているのが『梨状筋』という筋肉です。

梨状筋1
梨状筋2

この筋肉はお尻にあって、『外旋』という動きをするときに使われます。

外旋
そのため、この反対の『内旋位』という動きの場合には緊張が高まってしまいます。

この状態になった『寝る姿勢』がこの横向き寝です。

横向き寝

とくに上の足が床の方に落ち込むようになる
『FAIR肢位(Flexion Adduction Internal Rotation肢位)』 
では、
『坐骨神経』にストレスがかかることがありますので要注意です。

FAIR肢位

この『梨状筋』まわりのお尻の筋肉の緊張を高めない体勢を探せばいいことになります。

それは、

足を開く(外転)

膝を外側に向ける(外旋)

動きが少しでも伴ってくれているといいのです。

ポイント:坐骨神経痛のときは、足を少し開き膝を外に向けるようにする

スポンサーリンク

 

変形性股関節症と筋緊張

次に『股関節の痛み』について考えていきたいと思います。
これは、まず『変形性股関節症』の変形の進行の特徴から見てみます。

体重によってボール状の『大腿骨頭』が上に突き上げられるように負担がかかっていきます。
それによって関節の軟骨がすり減ってしまい、動きを作るために必要な隙間がなくなっていってしまうのが
『第1の特徴』
です。

次に変形が進行していくと、その『大腿骨頭』は外側にずれていきます。
それをなんとかカバーしようと外側に骨が飛び出していきます。
これが『第2の特徴』です。

『変形性股関節』についてもっと他のことも詳しく知っておきたいと思われた方はこちらをご覧ください!

歩くと足の付け根が痛い!女性に多い『変形性股関節症』にご注意を!

そこから、股関節を傷めている人に多いのが『中殿筋』を中心とした筋肉の働きが悪くなります。
そして、股関節が『内転』というポジションにおかれやすくなってしまうことです。
通常であれば、それを『中殿筋』を中心としたお尻の筋肉群がカバーしますがそれができていません。

そのような歩き方をしていることでお尻の筋肉がパンパンに張ってしまってます。

それが強調されるのが、『坐骨神経痛』のときと同じ
『FAIR肢位(Flexion Adduction Internal Rotation肢位)』
です。 

FAIR肢位

このポジションでずっといるとこのお尻・股関節まわりに負担がかかるのです。

そこで、お尻の筋肉群を緩めるためと足が内に入り気味になっているバランスに偏ってしまっている傾向があるのを補正するために

足を開く(外転)

膝を外側に向ける(外旋)

動きが少しでも伴ってくれているといいのです。

ポイント:股関節痛のときは、足を少し開き膝を外に向けるようにする

 

股関節の良肢位

『股関節痛』の場合は、『坐骨神経痛』と違って関節に負担がかかっていることが多いため、
この『股関節』が楽になる『良肢位』というポジションを確認しておく必要があります。

股関節の良肢位 

  • 曲げる(屈曲)
    15~30° 股関節の前にしわができる程度に軽く前に曲げる
  • 外に開く(外転)
    0~10° 足が反対の足とぴったりくっつかないように軽く開く
  • 膝を外に向ける
    0~10° これは足を少し開くと自然にほんの少し外に向いたりしますので意識する必要はありません。

股関節屈曲2

変形性膝関節症と緊張

最後に『膝の痛み』についてです。
これは主に『変形性膝関節症』の場合ですが、他の膝の痛みであってもおおよそ共通していると思っていただいた良いです。

膝が傷めた方がおっしゃることには
「膝が痛くなってからなんか最近まっすぐ膝が伸びないようになった気がする・・」 
という方が多く、無意識に膝を軽く曲げてしまう方が多いです。

また、ひどくなるとまっすぐ伸ばすことができなくなります。
これは膝の『半月板損傷』でも
『ワトソンジョーンズテスト(Watson-Jones test)』
というのがあって膝を無理やりまっすぐ伸ばして痛みが出るかみたりします。

そこで、股関節の時と同じ『良肢位』からみてみますと
『膝を軽く曲げる 10°程度』
です。 

膝10°

ピーンと膝を伸ばすんじゃなくて、ほんの少し曲げておくくらいがいいんですね。

そして、あと膝にねじれが出ることでも痛くなる場合があります。
その捻じれでは
『ニーイントゥアウト(knee-in toe-out)』
があります。

これは

半月板の動きが伴うこと

内側の筋肉群の緊張が高まる

ことなどからよくありません。

「こんな膝の形を寝るときにするかなぁ~」 
って思われるかもしれませんがそれがみなさんよくご存じの体勢があるんです。

いかがでしょう、おわかりになりますか?

・・・答えは
『FAIR肢位(Flexion Adduction Internal Rotation肢位)』
です。 

FAIR肢位

「そこ来たかぁ~!!」 
って思われるかもしれませんが、この時の膝ってそれに近くなっちゃうんですよね。

ポイント:膝は軽く曲げておくこと

スポンサーリンク

 

痛みを和らげるあおむけで寝る姿勢

これまでのところを考慮に入れながら、今回の痛みなどの場合の『寝る姿勢』についてまとめたいと思います。
まずは『あおむけ』で寝る場合について考えたいと思います。

膝下に枕やクッションなどを入れるというのがおすすめです。

膝クッション
もしくは、膝から下を全体的に高さを作ってしまうという方法でも構いません(写真)
これで、『膝』と『股関節』が『良肢位』に近づいて関節に負担がかかりにくくなります。

また、『坐骨神経痛』と関係が深い『腰痛』についてもこの体勢で楽になる方がいらっしゃいますのでやっていいでしょう!

 

横向けで痛みを和らげる寝方は?

身体はじっと同じ体勢をしているのは負担になります。

そこで『あおむけ』だけでずっと寝るわけにもいきませんし、股関節の痛みが強い方の中には
「あおむけで寝ると股関節が痛くてあおむけになれない」 
という方もいらっしゃいます。

そのようなケースのありますので
『横向けで寝る姿勢』
についても考えておいた方がいいでしょう!

ただ、今まで読んできていらっしゃる方からすれば
「今までだいたい横向けで寝ると問題が出そうな感じで言ってたからダメなんじゃ・・」 
と思われるかもしれません。

確かに、そのまま横向きに寝るのは問題がでる可能性があります。

もちろんそれにはひと工夫が必要になります。

 

抱き枕やクッションを活用して横向きでリラックス

まず、傷めている側を下に寝るのはほとんどの場合ダメになります。
やはり、体重による圧迫は患部に負担となるようです。

ポイント:痛い側を上にして横向きに寝ましょう!

横向きにして寝る問題点は、わかりやすく言うと
『股関節や膝が下に落ちる』 
ことでした。

それを防ぐために、

抱き枕

クッション

毛布や布団

を使います。

大きめの抱き枕に痛い側の足を乗せることで、

ちょうど『良肢位』に近づく

足を付け根から乗せることができて余分な力が抜ける

などがあります。
もちろん膝も『ニーイントゥアウト』のような捻じれをおこしません。

たまに、この話をすると
「家にたまたま抱き枕あったから足乗せるんですけど、すごい楽なんです」 
とこのことにお気づきの方もいらっしゃいます。(比較写真)
毛布や布団をうまく重ねて高さをつくれば『抱き枕』がなくても代用できます。

ただし、高さが足りないと負担になりますのできちんと高さを確保するように注意しましょう!
うまくいくと、あおむけより楽っていう方も多いので挑戦する価値はあると思います。

 

少しでも痛みを楽にする体操

『痛み』の程度によりますが
「今の自分にできることで少しでも症状を楽にできることならしたい!」 
と思われた方にとにかく簡単な体操があります。

 

お尻ズルズル体操

股関節・お尻まわりの筋肉の緊張を緩めることは今回紹介している疾患に対して直接的・間接的にプラスに作用します。

そこで、寝ながらできる体操を紹介したいと思います。

  1. 仰向けに寝て膝を三角に立てます。
    足は腰幅程度開いておきましょう!
  2. お腹を床の方に凹ませておきながら、お尻を痛くない側にずらします。
    このときお尻ではなく身体全体をずらしてしまう場合がありますがそうならないように注意しましょう!
  3. そのまま5~10秒体勢を保ちます。
  4. ゆっくり元に戻します。

目標回数 10~15回×3セット 

これをすると、お尻まわりの筋肉がゆるみますのでセット数は自分の身体と相談しながら増やせるようであれば増やしていただければと思います。

「あおむけで寝られない」 
という方は、仕方ありませんので立った状態でお尻を痛い側と反対に振るようにする方法でも効果はあります。

 

おわりに

立ったり、歩いたりすることで負担が余計かかってしまう

  • 坐骨神経痛
  • 股関節痛
  • 膝痛

ですが、寝たときもその体勢によっては心地よく寝ることを妨げてしまうことになりかねません。

そうならないように、

どのような状態が負担になって

どのようにしたらそれを解消できるのか

をしっかり確認しておくことが大切です。
それをきちんろ患者さんに説明することで正しく『寝る姿勢』を確保ができ、症状の軽減に役立ちます。

そして、何より患者さんは『痛み』を抱えているときにはっきり言って何もしたくないんです。
患者さんにひと工夫していただけるようにするには、きちんと納得してもらえるようにお話しする必要があります。

ここを雑にしないで、きちんとお伝えすることが患者さんの実践につながり、その効果を実感してもらったときはじめて『治療者』に対する信頼が深まります。
めんどくさがらずきちんとひとつひとつのことを確認して実践していただければと思います。

 

ポイントを整理

あおむけで寝やすいがあおむけ自体ができない人もいる

横向けは工夫をしなかったらかなり負担がかかる

お尻まわりの筋肉をいかにゆるめることができるか

うまく工夫できた横寝は最強!

めんどくさがらずきちんと向き合いましょう!

コメント

*は必須項目となります。
お気軽になんでもご記入ください。
ご相談はお問合せページからどうぞ